ＯｎＰａｌとは、音楽の仲間という意味です。
　九州大学病院で子どもにやさしい小児科病棟のデザインに関わったメンバーに音楽家が加わって、２００６年に元気アートプロジェクト（ＧＡＰ）が誕生しました。マイうちわづくり、松ぼっくりツリーづくりなどのデザインワーク、大きな筆を使ったダイナミック書き初め、音楽授業やコンサート、院内遠足や運動会のサポートなどは、つらい入院生活を送る子ども達を元気づけ、数々の作品や楽器体験は子どもとご家族の宝ものになりました。
　もっと多くの病院で子ども達に音楽を届けたいとの思いから、２０１３年にＯｎＰａｌを設立し、福岡市だけでなく久留米市、佐賀市、熊本市など20か所近い病院で活動を行うようになりました。コロナ感染症の流行により、すべての病院で訪問活動ができなくなると、誰にも会えなくなった子ども達が退屈しているという院内学級からのＳＯＳが届きました。そこでＯｎＰａｌでは２０２０年にYouTubeで音楽を楽しんでもらおうと、「おんぱるチャンネル」をスタートし、今では音楽授業やコンサートなど３０近い作品を見ることができます。また、２０２２年からはスタジオからオンラインライブで音楽授業やコンサートを配信する活動も行っており、２０２３年６月からは、遠く離れた全国の院内学級に向けたライブ配信もスタートしています。
　音楽で病気を治療することはできません。しかし、音楽はみんなに元気と笑顔を届けることができます。笑顔は病気に対する免疫力を高めるとも言われています。病院の中でたくさんの音楽やアートに出会えれば辛い病気と闘っている子ども達の心も少しは明るくなるでしょう。素敵な音楽にうっとりと聴き入るひと時、初めて見る楽器に目を輝かせるひと時、いつもと違う体験にどきどき、わくわくするひと時、ＯｎＰａｌが提供する特別な時間は、子ども達の学習意欲を高め、豊かな心を育んでいます。
　ＯｎＰａｌでは、おもいやる心を大切に、音楽で元気と笑顔を広げていきたいと考えています。これからも一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

（特定非営利活動法人ＯｎＰａｌ　理事長　真隅　潔）